人々を感動させる声について

Q:永井一郎さんの才能、能力をシステムの観点から分析すると、どうして先生の声はあれほど人々を感動させるのでしょう?

A:永井先生は相当に発達したイマジネーション力を持っています。

イマジネーション力が才能を決めます。天才かどうかもこのことで決まります。

一緒に仕事をさせて頂いて気付いた事ですが、作品のほんの一部を読むだけで、イマジネーションにスイッチが入り、作品全体の意味を理解する事が可能な方でした。私はそれに感動しました。どうやってこの瞬時に作品の一番の芯となる理念、意味を捉える事が出来るんだろう?と。つまり彼は、自分の経験とイマジネーションを使って瞬時に登場人物の種(感情)を感じ取る事が出来たんです。勿論、永井先生は一生涯かけて声の訓練をされていた方ですから、技術の上でも達人です。その技術とイマジネーション力を駆使し様々な登場人物に合わせてセリフを読んでくれました。つまり、あれほど天才的に表現する為には両方が必要です。イマジネーション力だけで、声の技術がなければ作品の考えや感情は表現できませんね。

この二つの質である、技術とイマジネーション力(外側と内側)が永井先生の才能の源だと言えるでしょう。

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しかも彼はスタニスラフスキー・システムを学んでいます。それもすぐに感じ取れました。

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